商品紹介第4回(トルソー)
前回から随分と間が空いてしまいましたが、今回はフランスからいらっしゃったトルソーさんをご紹介します。
写真は前後からそれぞれ全体・拡大と撮っていますが、実は360度に連続した手描きの絵が施されているという、たいへん珍しい品です。お詳しい方は既にピンときているかも知れませんね。そうです!、100年ちょっと前に造られた、まさに「ベル・エポック」の「アール・ヌーヴォー」といえるものなのです。
産業革命を経て社会インフラ・生活インフラが大々的に整備された19世紀末から第一次世界大戦勃発まで、エッフェル塔完成やパリ万博開催などもあり、パリが繁栄した華やかな時期で「ベル・エポック=良き時代」と呼ばれています。
この時期、コルセットでウェストを細~く締め上げて胸と腰を強調するスタイル「S字型シルエット」のドレスが登場しましたが、これは同時期に世界的ムーヴメントとなった芸術様式「アール・ヌーヴォー」に影響されて誕生したと言われています。
「アール・ヌーヴォー」様式は植物など自然の有機的なモチーフに由来している訳ですが、こちらのトルソーさんはまさに草木・昆虫・鳥・山々などの自然モチーフをまとった「S字型シルエット」となっております。絵もシルエットもサイズ的にも非常にインパクトがあり絶大な存在感を放っていますので、空間に置くだけで独特の世界が創られますし、眺めていて楽しく飽きがきません。
実用性と芸術性の両方を兼ね備えた大変貴重な品ですし、状態も非常に良好です。是非ご来店いただき、たくさんのアンティークに囲まれたトルソーさんを眺めながら「ベル・エポック」にタイムスリップしてみてください。